2026年、これまで「IT導入補助金」と呼ばれてきた制度は、中小企業デジタル化・AI導入支援事業(デジタル化・AI導入補助金2026)として公募されています。名称が変わったことで、過去の記事や検索結果と情報がずれている状態です。この記事では、公式サイトの記載をもとに、申請枠の違い、対象になるツールの条件、申請から実績報告までの流れを整理します。
最終更新日: 2026-09-10
申請枠は5種類。AIツールは通常枠で検討することが多い
2026年の申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つです。生成AIやチャットボットなど業務ツールの導入は、通常枠で検討されるのが一般的です。
| 申請枠 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2以内(一定の賃金要件を示した場合は2/3以内) | 1プロセス以上:5万円以上150万円未満 / 4プロセス以上:150万円以上450万円以下 |
| セキュリティ対策推進枠 | 小規模事業者:2/3以内 / 中小企業:1/2以内 | 5万円〜150万円 |
出典は事務局公式サイトの通常枠およびセキュリティ対策推進枠のページ(2026年9月時点)です。他の枠の条件は事務局公式サイトで確認してください。
対象になるのは「登録されたITツール」だけ
この制度で補助対象になるのは、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールです。自社で見つけたサービスをそのまま申請できるわけではありません。通常枠では、汎用プロセスのみのソフトウェアは対象外で、次のいずれかの業務プロセスを持つソフトウェアであることが条件とされています。
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務・資金回収管理
- 供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営
- 総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務
- 業種特化型プロセス(その他業種固有のプロセス)
補助対象経費には、ソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)のほか、オプション(機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ)と役務(導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・研修、保守サポート)が含まれます。セキュリティ対策推進枠は、IPAが公表するサイバーセキュリティお助け隊サービスリストに掲載されたサービスのうち、事務局に登録されたものが対象です。
申請できる事業者の規模要件
対象は中小企業・小規模事業者等で、資本金と従業員数のどちらかが業種ごとの基準以下であれば対象になります。たとえば製造業・建設業・運輸業は資本金3億円または従業員300人、卸売業は1億円または100人、小売業は5,000万円または50人が基準です。医療法人・社会福祉法人・学校法人は従業員300人以下が基準とされています。業種別の一覧は申請の対象となる方のページに掲載されています。
申請から実績報告までの流れ
- 導入したい業務課題を整理し、対象になり得るITツールを探す
- IT導入支援事業者を選び、申請するITツールを決める
- 申請前に必要な手続きを済ませる(公式サイトの手続きフローではSTEP02としてGビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言が示されています)
- 締切までに交付申請する(2026年の交付申請期間は3月30日開始、5次締切は9月29日17:00)
- 交付決定を受けてから契約・発注し、導入する(交付決定日は2026年11月9日予定)
- 事業実施期間内に支払いまで完了し、実績報告を提出する(実績報告期限は2027年4月30日17:00予定)
この順序で重要なのは、5と6です。交付決定より前に契約・発注した経費は対象外になりやすく、実績報告の提出まで終えて初めて補助金が支払われます。日程は公募回ごとに変わるため、申請前に公式サイトの事業スケジュールを確認してください。制度の背景となる中小企業政策全体は中小企業庁、デジタル化の動向はIPAのDX動向調査が一次情報になります。
補助金を軸に導入内容を決めない
補助対象になるかどうかを基準にツールを選ぶと、自社の課題に合わない導入になりがちです。先に解決したい業務課題を決め、その手段として制度を使えるかを確認する順序が基本です。制度活用の考え方と注意点はAI導入で補助金を活用する際のポイント、チャットボット導入の費用内訳は中小企業のチャットボット導入 費用の内訳と補助金の使い方2026で解説しています。導入対象の選び方から相談したい場合はお問い合わせください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、採択を保証するものではありません。掲載した内容は2026年9月時点で公式サイトに掲載されていたものです。申請枠・補助率・日程・対象要件は公募回ごとに変更される場合があるため、申請にあたっては必ず公募要領および交付規程をご確認ください。
よくある質問
IT導入補助金2026という制度はありますか。
2026年は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業(デジタル化・AI導入補助金2026)」という名称で公募されています。過去の名称で検索すると前年度以前の情報が混ざるため、事務局公式サイトで現行の名称と公募要領を確認してください。
生成AIのサービスも補助の対象になりますか。
対象になるのは、IT導入支援事業者が提供し事務局に登録されたITツールです。通常枠では汎用プロセスのみのソフトウェアは対象外とされ、顧客対応・販売支援や会計・財務・経営などの業務プロセスを持つことが条件です。個別の可否はITツール検索と公募要領で確認してください。
申請前に必要な手続きは何ですか。
申請の前提として、GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言が、事務局公式サイトの手続きフローのSTEP02に置かれています。どちらも日数を要するので、締切から逆算して早めに着手してください。